深淵のともだち

新作CD
「深淵のともだち
Amis des Abysses」

何かを失ったひとに。
自分がひとつも
正しくないと
思ってしまったひとに。

アートは
篠田夕加里さん

48曲入り
2枚組93分
72ページの歌詞集




note

うたは不思議だ。

あることがあって何もできなくなった。
でも、自分を保ち、生きていかないといけない。

いつもその時を乗り越えるために
こう考えようという指針を
「クマ問答」や「詩の学校」のような
おはなし、にして書いていた。

指針は思いついた。でもおはなしに
する気になれずに、気づいたら、
歌詞にしてうたにしていた。
二週間くらいで48曲。
保ち、生きるために無意識につくった。

なにも見れず、書けないのに、
うただけつくれた。理由がすこしわかる。
うたは、いつか、ということばを
メロディ、コード、声の抑揚にのせると、
希望と困難とあきらめを同時に表現できる。
ありがとう、とごめんを同時に表現できる。

そして、どんな苦しみもうたにのせると
音楽の熱源と自由をおびる。
苦しみと悲しみはそのままでも。

このCDは珍しく詞先。
かつてなく本質的で直接的で太いものができた。
自信になり、何かから自立できた。

何かを失くしたひと
自分がひとつも正しくないと
思ってしまったひとに聴いてもらいたい。

歌詞のブックレットも生きる指針書になった。



note

このアルバムは、
自分的には究極のアルバム。
今までと作り方がまるで違う。

今までは、歌は情景に溶けむように
情景が広がるように作っていた。

今回は、大きな喪失があり、
生きる指針を探す中、
言葉が生まれたが、言葉だけでは足りず
それをメロディに乗せた。
つまり詞先。

言葉がメロディを持っていて
失望が根源にあるのに
メリハリのあるポップなものになった。




結果的に、私の考えや生き方、個性を
端的にわかりやすく、強く、ポップに
表現することができた。

短い時間の対バンでも
この楽曲たちがあれば
わかりやすく自分を伝えられる。

48曲中37曲に歌詞があり、
うたうクマ問答になった。

製作中は、どんなに深く降りても
夕加里さんの絵がジャケットだから
安心だった。